プロジェクトストーリー

OJTをサポートするSaaSの開発『OJT One』を育てることと、成長すること

  • 人材育成
  • 新規事業開発
  • 組織変革

チェンジは人材育成事業で、長年企業のOJTを支援しています。その過程で集積された知見を結集し開発・リリースしたのがOJT支援ツール『OJT One』です。入社3年目でプロダクトオーナーを任されたメンバーとその上司にリリースまでの道のりと今後について伺いました。

プロジェクトストーリー

Next Learning eXperience Learning Designチーム コンサルタント 原田 健壮

プロジェクトの概要OJTの困りごとを解决する

OJT支援ツール『OJT One』の開発のきっかけを教えてください。

プロジェクトストーリー

「On the Job Training (OJT)」は実際の仕事を通じて業務に必要なスキルを身に付ける手法で、多数の企業で取り入れられている制度です。一方で十分に機能していないことも多く、座学での研修はしっかりやるのにOJTは現場に任せきりになってしまうなど、各社で様々な課題を抱えているのが実情です。

チェンジは長年OJT支援を行っており、社内に集積された知見を形にしようとの機運が高まりまして。開発されたのがこのツールというわけです。

特徴を教えてください

『OJT One』はSaaSアプリケーションで、クローズドのオンラインプラットフォーム上で複数人がコミュニケーションできるものです。アプリ内では、トレーナーが自身の受け持つ社員に関して育成計画を立て、その進捗を振り返ります。
また、画面上で周囲のメンバーに関与を促すことができるため、通常のOJTではトレーナーと対象社員との間で関係が閉じてしまいがちですが、組織的に対象社員をサポートし、見守ることができる立て付けとなっています。

プロジェクトとの関わり上司との「1on1ミーティング」に助けられた

プロジェクトを進めるうえで、なにか困難はありましたか?

実は最初は自社内で開発する話もあったのですが、社内リソースの都合から外部ベンダーさんと協力していくことになりました。開発過程で特に大変だったのは、OJTを効果的に進めてもらうツールとして、利便性を高め、ユーザーが混乱することなく使えるようにディティールを詰めていく場面でした。
こちらで検討した仕様やUIを外部ベンダーさんとすり合わせるのに多くの時間を使い、何度も設計や要件定義を繰り返してしまい、結果納期も大幅に遅れてしまいましたね。一時期はローンチの予定日に間に合わないのではないかと危機感を持った時期もありましたが、プロジェクト全体の旗振り役である上司の石原さんがうまくフォローしてくださり、無事にローンチできました。

プロジェクトストーリー

原田さんは、このプロジェクトにどう関わっていましたか?

もともと私は研修教材の開発をメインに行っていたため、このプロジェクトに配属されたのは驚きでした。ただ、自分自身がずっとOJTの支援を行ってきたため、これは良い機会かもしれないとも思いました。
とはいえ、私にとってシステム開発を伴うプロジェクトは初めての経験であり、最初は会議で話されている内容も全く理解できませんでした。わからない言葉を一生懸命書き留めて調べたり、基本的な用語だと思ったものは、ときに会議の裏で検索していましたね。

しかし、プロジェクト初期にパフォーマンスを出せていない自分に課題も感じていました。教材開発の業務と掛け持ちで行っていたことも影響し、ある時さすがに限界を感じ、石原さんに週に一度の1on1ミーティングをお願いすることにしました。結果、不明点や困ったことをすぐに相談して解決できるようになったため、少しずつプロジェクトオーナーとして自分がやるべきことに向き合えるようになりました。

チェンジは社風として「最大限の成果をあげるために周囲を巻き込む」ことを大切にしており、上司や先輩に助けを求めたり相談しやすい環境だと感じています。他にも、プロジェクトに携わっていない部署の方が私の見えないところでフォローして下さっていたことを知り、改めて周りのサポートがあってこそ、ここまで進められてきたんだと実感しています。

プロジェクトでの学びプロダクトを育てることで、自身も成長できた

このプロジェクトを通じ得られた学び、経験はありますか?

研修教材の開発では接することがなかった方々、特に外部の人と協力しながら進められたことが大きな経験でしたね。お客様やベンダーさんなど、社外関係者と対話をしながら業務を進める機会が少ないことに課題感を持っていたため、今回多くの関係者を巻き込めたのはとても良い経験でした。
今はプロダクトの開発を終えて、直接お客様に営業活動をすることも増えてきましたし、社内の営業メンバーを巻き込んでいくことも新たな経験です。

ただ、何よりもプロジェクト全体の旗振り役だった石原さんのプロジェクトマネジメントを肌で学ぶことができたのは得難い経験でした。

このプロダクトを開発し育てることが、私の成長にもつながったように思えます。まだまだ半人前ではありますが、業務の幅が広がりできることが増えたのは嬉しいですね。

これからの『OJT One』OJTは私のキャリアのキーワード

今後のプロダクトの可能性とご自身の目標は?

何よりも『OJT One』を育て、拡げていくことを目標にしています。今後、育成状況を可視化したデータドリブンな人材育成を軸にしていくことも目指していますので、しっかりとお客様に受け入れてもらえる存在に育て上げたいですね。

自身のキャリアにおいては今後もOJTに携わっていきたいと思っています。OJTはどの企業でも人材育成の要。研修は数日~数カ月だけですし、「人が本当に育つのはどこか?」と考えたとき、やはりOJTが重要なんです
昨今、働く環境やメンバーの多様化によって、OJTの質を上げることが組織全体の生産性向上や、社員の定着化に寄与するとの考えが強くなっています。「生産性をチェンジする」を掲げるチェンジだからこそ、OJTを大事にし、高度化していく必要があると感じています。

他社や友人、知人などと話す中、夢と希望を持って入社したのに最初の立ち上がりがうまくいかずに会社を去る人を見聞きすると切なさを感じてしまいます。きっとこの「最初のちょっとしたつまずきがなければ…」は、多くの会社で起こっている事象だとも思います。
『OJT One』を軸にしていけば、最適なOJTを実現できる。新入社員も中途社員も、全員がスムーズに仕事に必要なスキルを身につけるためのプロダクトにしていくことが私の夢であり目標です。

「自分がやる」という姿勢で果敢に挑戦し続けられていることが最大の成長

原田君の参画はプロジェクトがある程度進んでからでした。途中参画はキャッチアップが大変です。積み上がった経緯の多くが資料化や言語化されていないからです。

加えて本人も語っている通り、参画前までにやってきたことの違いが大きすぎたこともあり、当初はできることが少なく苦労していましたね。でも食らいついて今では立派に活躍できています。ひとつには彼の姿勢も大きかったと思われます。できることが少なくても、仕事を他人任せにしない姿勢を保っていました。

例えば本人コメントの1on1も「今日はこれを話すのに時間を使いたい」と、毎回主導権を握ってくれます。独力で完結が難しいタスクでも、助けを求めながらも「自分がやる」という姿勢を保てるのは大事なことです。

獲得済みのスキルがうまく結果に繋がりにくい場面でも、自分事として取り組む姿勢があれば、経験値の後からスキルがついてきます。まさに「経験して育つ」OJT Oneの思想を原田君本人が体現してくれていますね。

これからも果敢に挑戦し続けてください。

Next Learning eXperience
執行役員
石原 徹哉