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プロジェクトマネージャーの概要と担い手不足の現状

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメント(Project Management)は、プロジェクトの成功を目的にプロジェクトを管理することです。一般的にプロジェクトの成功は成果物の品質:Quality、原価:Cost、納期:Delivery(QCD)および、売上(利益)の達成を指します。

プロジェクトを担うプロジェクトマネージャー

プロジェクトマネジメントの担い手を、“プロジェクトマネージャー(Project Manager/PM)”と呼びます。プロジェクト成功に向けた管理が業務内容ですが、その守備範囲は企業やプロジェクトに応じて異なり、例えばチームの人選から行う場合もあれば、既定のリソースでマネージャーを担うケースもあります。

プロジェクトマネージャーの不足と育成課題

プロジェクトマネージャーは業界を問わず不足しています。そのため、十分なトレーニングを受けないままプロジェクトマネージャーを担い、プロジェクトが行き詰まるケースも散見されます。

以下の調査では、回答者の約4割が、「プロジェクトマネージャーが原因でプロジェクトが迷走・炎上したことがある」と答えています。

【出典】株式会社ネオマーケティング プロジェクト推進に関する意識調査

プロジェクトが暗礁に乗り上げた理由のTOP5は以下の通りです。プロジェクトマネージャーとプロジェクトメンバーの意思疎通(コミュニケーション)に大きく関わる事項が挙げられています。

【出典】株式会社ネオマーケティング プロジェクト推進に関する意識調査

一方でプロジェクトマネージャーへの調査では、教育が不十分なままプロジェクトマネージャーに任命され、キャパシティを超える業務を任される実態が浮き彫りになっています。

【出典】株式会社ネオマーケティング プロジェクト推進に関する意識調査

これらの調査では、【PMの人数が足りない】→【教育が不十分(会社側の育成意識もない)のままPMに任用】→【PMの業務過多・ノウハウなしで、プロジェクト機能不全】といった悪循環が見受けられます。

プロジェクトマネージャーはOJTでは育たない?

これらの課題は、プロジェクトマネージャーの育成により一定の解決が可能ですが、それが進まない理由として、プロジェクトマネージャーの育成が難しいこと、特に各企業が採用するOJTとプロジェクトマネージャー育成の親和性が低いことが挙げられます。

プロジェクトマネージャーの育成とOJT

OJTは上司や先輩が実際の仕事を通して、部下や後輩に知識やスキルを伝えます。当然プロジェクトマネージャーとして必要な知識やスキルは多岐にわたるため、OJTが全く効力を持たないわけではありません。

しかし、プロジェクトマネージャーの育成に重要なのは、「現場感」です。先輩の業務を近くで見ており、現場におり当事者意識を持って臨んでいたとしても、いざ自分が責任者になってみた時に見える景色はそれまでと異なったという経験は多くの方にあるのではないでしょうか。いざ役割を任された時の業務のプレッシャーや思考は当事者になって初めて分かるものです。

「平時」と「多様なプレッシャーがかかる状況」では、同一人物であっても判断力や実行力に大きな差が生まれるため、以下のようなプロジェクトマネージャーが置かれる「現場感」を体験することが重要です。

■プロジェクトマネージャーが置かれている状況例

・毎日現場で起こる様々な問題の対処を求められている
・メンバーとの人間関係の構築に労力を注いでいる
・上司からプロジェクトの進捗や課題の共有、解決策の提案を求められている
・プロジェクトを成功させなければならないプレッシャーに迫られている

プロジェクトマネージャーに必要な経験

現場感の獲得の一番の近道は、実際にプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを動かす経験です。しかし、事業の成否や売上・利益に直結するプロジェクトのマネージャーを、育成目的で任せるのは容易ではなく、その機会も豊富にありません。

プロジェクトマネージャーを教育も兼ねて任せる余裕がある会社では、プロジェクトマネージャーの業務量を調整しつつ、丁寧に育成することができますが、実態はそうではないために、先の調査にあるように「PMにすべてを任せすぎている」「PMへの教育が足りない」という回答がトップを占めてしまいます。

 “経験”を補完するには研修が最適

そこで、プロジェクトマネージャーの育成に不可欠な“現場感”を含めた経験を提供できる方法として最適なのが「研修」です。

ただし、リアルなプロジェクトの要素を盛り込み、受講者が没頭できる研修でなければ効果は半減するため、企業が自前で用意するには膨大な時間とコストがかかります。

よって、プロジェクトマネージャーの育成研修は、専門企業にアウトソーシングすることが一般的です。一例として、弊社の“プロジェクト実行管理研修”をご紹介します。

(プロジェクト実行管理研修の一例)

・架空の会社のプロジェクトマネージャーの立場になる
・各フェーズに用意されたシナリオに沿ってロールプレイング(現場感の獲得)をする
・各フェーズのシナリオ毎に、要修正点や改善案をグループで議論する
・議論の内容や結論を発表し、評価を受ける
*プロジェクトマネージャーを含めた各ステークホルダーの役割を演じる
*利害関係の調整等の演習も用意する

受講者が主体性を持って研修に参加するために、“演習(ロールプレイング)の充実”“アウトプットの機会提供”、“評価(フィードバック)の獲得”がポイントとなります。

また、研修形式にすることで、他者の考えるプロジェクトマネージャーのあり方も確認できるため、自己認識を相対化し、改善に役立てることができます。

*弊社のPM研修は追って詳しくご紹介します。

プロジェクトマネジメントに必要なスキル

プロジェクト管理をするプロジェクトマネージャーには大きく分けて4つの知識・スキルが必要です。

その1)最低限の専門知識

プロジェクトマネージャーは全体統括が主要業務のため、細部はメンバーに任せることが一般的です。細かい専門知識や各論に及ぶ技術的知見を必ずしも獲得する必要はなく、またそれに割く時間的余裕もありません。

専門的な知識等が必要なフェーズで、プロジェクトマネージャーには

・必要な情報を該当するメンバーから的確に集める

・それを基に意思決定する

ことが求められます。

よって、目の前の課題を解決するために「必要な情報とその照会元」が判断できる程度の専門知識は必要です。

例えば・・・

自動車業界における販売管理システム開発プロジェクトの場合

・ITの技術的な知識の概要

・自動車販売業務の現場業務における業務フロー

・会計システムの知識

・関係国の会計知識

 など様々な知識が必要です。

必要な情報やその照会元がわかる知識は必要です。

その2)意思決定力

プロジェクトマネージメントは意思決定の連続です。先に示した調査結果では、「プロジェクトが機能しなかった理由」として、

・プロジェクトの計画、目標設定能力が足りない

・はっきりとした指示がない

という項目が上位にランクインしていましたが、意思決定が弱いとプロジェクトを成功に導くことができません。

意思決定に必要な情報を的確に集めて、メンバーの助言も含めた上で、最後に決めるのはプロジェクトマネージャーという意識を持つことが重要です。

その3)管理能力

プロジェクトマネージャーはスケジュールや予算等の制約の中で最大の成果を出すことが求められます。どれだけ良い成果物を作っても、「納期を守れなかった」「予算をオーバーしていた」では、“成果なし”と評価をされることもあります。

あるIT企業の役員は、「成果物が顧客の期待値を下回っていた場合、顧客から信頼を失うが、時間を守れなかった場合、顧客を失う」として、PMに対して納期厳守を徹底させています。

また別のIT企業のプロジェクトマネージャーは、「予算を1円オーバーして100点の成果物を出す人材と、予算内で70点の成果物を出す人材であれば、後者を評価する」と明確にメンバーに伝え、予算遵守を浸透させています。

その4)コミュニケーション能力

調査結果を用いて冒頭で紹介したとおり、プロジェクトマネージャーに最も必要な能力コミュニケーション能力です。コミュニケーション能力について、次のトピックで詳しく紹介します。

PMに求められるコミュニケーション能力

冒頭の調査では、プロジェクトが軌道にのらなかった理由として、以下の理由が挙げられていました。

【出典】株式会社ネオマーケティング プロジェクト推進に関する意識調査

上記調査結果の原因は、いずれもコミュニケーション能力と深く関わりがあります。これらの問題を未然に防ぐコミュニケーション方法について以下で紹介します。

やり取りする情報を定量化し整理する

プロジェクトマネージャーがメンバーに明確な指示を出すためには、プロジェクトマネージャー自身が定量的かつ正確な情報を収集する必要があります。

情報収集を目的としたコミュニケーションにおいては、情報の数値化に努めること、一方で様々な事情で情報が数値化できないものや“意見”については、事実と分けて整理することが必要です。

会議等のファシリテーションや意思決定においても、これらを意識してコミュニケーションを図ることで、合意形成や指示の曖昧性を回避し、計画や目標を明確に設定できます。

コミュニケーションを見える化する

情報を“見える化”してコミュニケーションをとることで認識のブレを軽減します。会議の資料や議事録などはクラウド等のアクセスしやすい場所に格納することで、情報が一人歩きせずに、関係者間の誤解軽減に効果があります。

加えて、プロジェクトの目標や計画およびその進捗も見える化することで、プロジェクトの関係者が目標を常に意識し、その進捗状況を把握することができます。

人を巻き込むコミュニケーションをする

プロジェクトの目標を達成するためには、メンバーのモチベーションを向上させて巻き込むことが必要です。その際に重要なことは、プロジェクト目標への共感です。

ある商社のプロジェクトマネージャーは、プロジェクト実施前や実施中におけるメンバーとのコミュニケーションで、以下のポイントを意識しています。

■目標の共感に必要な3つのポイント

プロジェクト目標を定量的、具体的に提示する
その目標が達成されることによる社会的意義や自社理念との整合性を提示する
プロジェクトに関わることで、メンバーがどのように成長できるかを提示する

また、IT系ベンチャー企業の代表は、

(管理)職の権限を利用して、メンバーに業務を遂行させる高圧的なコミュニケーションやアンガーマネジメント(恐怖感による管理)でなく、社会的意義や個人の成長に焦点を合わせて動機形成しなければ、メンバーはついてこない時代」と語っています。

否定でなく提案型のコミュニケーションをとる

メンバーや上司から信頼を得るには、「提案型」のコミュニケーションスタイルが効果的です。方向性の異なる意見がある際は、原案Aを否定するのではなく、新規案Bを提案し、否定でなく比較(および原案との融合)を試みる手法です。

比較の結果、Bを採用するとなった場合でも、「AがなければBの提案は出てこなかった」「次はBをベースにさらに改善された意見を募集したい」というように、常に改善案を受け入れる姿勢をプロジェクトマネージャーが率先し、チームメンバーにも意識させることが重要です。

6.まとめ

プロジェクトマネージャーはあらゆる業界で不足し、かつ育成が難しいため、満足に教育されないまま登用され、プロジェクトが機能しないケースが問題となっています。そこで、専門企業の提供する研修を受講し、PMの育成を図ることが一般的であることを紹介しました。

アウトソーシング先の選定の際は、

・座学が中心でなく「PMが置かれる状況」をリアルに体験でき、受講者がモチベーシ

ョン高く受講できる“演習”が中心コンテンツになっていること

・アウトプット機会があり、フィードバックが受けられること

・「PMの仕事の8割はコミュニケーション」と言われるが、コミュニケーションに特化

した研修コンテンツとなっていること

を確認することをおすすめします。

弊社のプロジェクトマネジメント研修も、もちろん上記の点を意識して構成されております。その他にも、

  1. 学習者に合わせた研修コースを用意
  2. オンラインに対応
  3. 高い実績を持つ講師陣
  4. 圧倒的なリピート率

を備えておりますので、是非一度お試しください。

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