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<ステークホルダーって何だ?(2)>
研修とコンサルティングの株式会社チェンジ Presents
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『ビジネス・チュートリアル』No.11
いまさら聞けないビジネス常識を、読者の皆様だけに、こそっと
教えます。
※チュートリアル(tutorial):家庭教師・個別指導の意

<<『コーポレート・ガバナンス』第3集>>
〜ステークホルダーって何だ?(2)〜

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「三方よし」という言葉があります。
これは、江戸時代に活躍した近江商人たちの「商いの心構え」を
示したものです。
「売り手よし、買い手よし、世間によし」という三つの「よし」が
商売の成功・継続のためには大切であるという教えです。
つまり、自社だけでなく、取引先やお客様にも喜んでもらい、
そして社会にも貢献するということです。

創業を近江商人にたどることが出来る会社が、現在でも大手企業
として活躍していることからも、その「商いの心構え」の有効さが
よくわかります。
(近江商人創業の企業:伊藤忠、丸紅、高島屋、大丸、日清紡、
 東洋紡、日本生命、ヤンマーなど)

それ以上に、200年近く前から、現在のビジネスの重要テーマと
なっているWin-Win関係(売り手よし、買い手よし)や
コンプライアンス(世間によし)が意識されていたことに驚きを
感じます。

以前、キャッシュフローについて解説した回で、「勘定合って
銭足らず」という言葉も紹介したように、昔も今もビジネスの
本質に変化はないのかも知れません。(下記バックナンバー参照)
http://www01.todokete.net/cgi-bin/change/bn.cgi?panel=detail&no=67

ちなみに、お正月の鏡餅を載せる台も「三方」といいます。
四角形の台の三方向に穴が空いているから三方と呼ばれますが、
三方より三宝(仏・法・僧)を取り込み逃がさない為だそうです。
近江商人も三方に貢献することで、逆に三方から富と情報を
集めて、現在にも通じるような成功を収めたのでしょう。

今週は、ちょっと真面目に、温故知新に励みたいと思います。
ステークホルダーの第2回は、従業員、取引先、地域社会について
考えます。
前回の、株主・顧客含めて、三方をうまくバランスして、成功を
勝ち得るには、何が大切なのでしょうか?


◆◆◆3.従業員もステークホルダー◆◆◆

「経営は、株主や顧客のことは考えても、社員のことなんか
 考えていないぞ!(怒)」
会社の景気が悪くなると、すぐに人員削減だとか賞与カットだとか
従業員はどちらかというと経営に振り回される側の存在のように
考える方も多いかも知れません。

どんなに強固なビジネスモデルを確立している企業であっても、
そのビジネスモデルを動かすのは一人一人の社員ですし、社員の
アイデアや努力がない限り、企業は成長できません。
ラーメン屋でも、優秀なアルバイトに突然辞められたら、
いつも通りにお客様を回転させられずに売上は減りますし、新人の
バイト君を雇っても、最初はグラスを割ったり、オーダーを
間違えたりで利益も減少してしまいます。

だからこそ、社員に成長を促し、社員に会社の方針に従って
もらえるように動機付けるために、昇給・昇格・異動・育成等、
さまざまな取り組みをしています。
逆に、他の方法を考えずに「まずは人件費削減」を口にするような
経営では、その会社の発展は見込めません。

ちなみに、ドイツでは監査役員会(日本の取締役会に相当)に、
従業員代表や組合代表が参加するのは当たり前であり、積極的に
会社経営を監視し、牽制し、そして成長をともに目指しています。

従業員も立派なステークホルダーです。そして、自分の食い扶持も
会社の成功にかかっています。であれば、「倒産のその日まで
会社の状態を知らなかった(泣)」と途方にくれるのではなく、
株主同様に日々自社の財務状況や戦略をチェックし、成長に向けて
関与できるようになりたいものです。
その意味では、労働組合の活動にも変化が求められています。

【キーワード】
 ・従業員に対する責任:成長機会の提供、本人・家族の生活の
            保障、動機付け
 ・従業員の力:会社の成長・維持そのもの


◆◆◆4.取引先◆◆◆

「三方よし」の「売り手よし」です。
対取引先について考えると、自社は「顧客」となりお金を払う側
となるため、非常に力が強い存在です。
また、取引先に努力を求めることで、売上原価を下げ、利益を拡大
することに繋がります。
したがって、取引先と折衝する「購買」担当の方は、職責上、
威圧的に値引き要求をする場合も多いです。

値引きを実現できれば、自社は利益を拡大できます。しかし、
その結果、部品の供給が止まったり、品質が低下してしまったら
逆に大問題です。
相手の立場にたてばわかりますが、利益が出ない取引を継続して
行うことは、どれほど有力な顧客であっても難しいのです。

ラーメン屋でも、製麺所に「半額で卸さないと取引停止だ!」と
すごんでみても、その結果として質の低い小麦を使われたり、
納品の頻度が少なくなり、売り切れや在庫ロスが出れば
大打撃です。

とはいえ、仕入れ価格の交渉はどの企業にとっても必須です。
その上で、「売り手よし」のWin-Winの関係を築くために、
例えば自社のバリューチェーンに取引先もしっかりと囲い込み、
在庫量削減や輸送コスト削減、短納期の実現など、チェーン全体で
価値を上げることを指向します。

もともと自動車業界の「系列」は、このような考えに基づいて、
構築されました。しかし、競争の激化の中で、チェーンの再編が
必要となりました。今はまさに組み立てメーカーの違いや
国産車・外国車の違いを超えて、付加価値のある競争力ある取引先
となるべく、下剋上含みの戦国時代に突入しています。

【キーワード】
 ・取引先に対する責任:取引先の利益の確保、Win-Win関係、
            バリューチェーン全体の価値向上
 ・取引先の力:製品/サービスの供給と品質


◆◆◆5.地域社会◆◆◆

「三方よし」の「世間によし」です。まさに今話題のCSR
(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)です。

CSRの代表格は、コンプライアンス(法令順守)です。「ルールを
守る」のは、子供の頃から教えられた当たり前のことですが、
企業のコンプライアンスは、近年ずっと難しくなっています。

一つは、グローバル化により事業場の所在国や取引先の相手国に
よっては、法令順守の規準が異なるというものです。
同じ物を売っても、例えばヤマハのように「武器輸出」と
みなされてしまう場合もあります。
そして、もう一つは、「法令上、今は良くても将来的にダメ」
ということもあります。クボタのアスベスト使用は「当時はOK」
だったのですが、今数十年の時を経て、その責を問われています。

また、環境への配慮も必要です。紙、水、石油等、限られた
資源を無駄遣いしてはなりませんし、有害物質の適切な処理だけ
でなく、そもそも有害物質を出さない減らす技術開発も
求められます。
例えば、東京海上日動は、マングローブの植林を手がけていますが
これは大量の紙を使用せざるを得ない保険会社としての、
せめてもの代替としてのCSR活動です。

他にも、雇用の確保にも責任があります。特に、小さな地方都市
では、大企業の進出・撤退によって、地域経済自体に大きな影響を
与えるため、特に撤退の際には地域の将来も含めて、十分に
話し合う必要があります。

以前、ナタデココがブームとなりフィリピンの一地区では、全員が
畑仕事をやめて、ナタデココ作りに励んでしまいました。
しかし、すぐにナタデココ需要は激減し、その地域はその後、
数年間にわたり、厳しい貧しさの中で畑の復興に取り組むことに
なりました。自己責任ではありますが、一心不乱にナタデココ作り
に取り組んでもらえたことで富を得たのは、日本企業です。

つまりCSRとは、「悪いことはしません」ということだけではなく、
「将来にわたって社会によい存在であり続けます」という、空の
手形を切ることです。そしてその約束を守ることです。

単に「法令に沿っている」という社会基準・外的基準ではなく、
「自分にとって正しいのか」という倫理観にもとづく内的基準での
判断が求められるのです。
外的基準に頼れないとなると、判断の度に悩み、苦しむことになり
ますが、そこにCSRの本質があるのかも知れません。

【キーワード】
 ・地域社会に対する責任:将来にわたる法令順守、環境対策、
             雇用の確保、倫理観に基づく意思決定
 ・地域社会の力:企業の活動基盤、資源(人・モノ)の提供


◆◆◆まとめ:ステークホルダー◆◆◆

「三方」は、お正月の鏡餅を載せる台でもあります。
取引先、顧客、地域社会という三方・三宝を招き入れ、従業員が
鏡餅をついて重ね上げ、株主に企業価値として提供する。
どれかが欠けても良いお正月は迎えられそうにありません。
素敵な新年を迎える鏡餅をデザインして、最後に蜜柑を載せるのが
経営の役割なのでしょう。


◆◆◆さぁ〜て来週の『ビジ・チュ』は?◆◆◆

次回は、立派な鏡餅をデザインする内部機構として、一昨年法制化
された委員会等設置会社や社外取締役について解説します。


◆◆◆進捗状況◆◆◆

■:完了 ★:実行中 □:未了(お楽しみに)

<目次(予定)>
 ■:(1)ビジネスモデル
 ■:(2)会計のキホン
 ★:(3)コーポレートガバナンス
 □:(4)プロジェクトマネジメント
 □:(5)提案営業・ソリューション営業
 □:(6)競争力とポジショニング
 □:(7)フレームワーク 
 □:(8)ユビキタス
 (個別用語解説編)
 □:(9)マネジメント系用語
 □:(10)マーケティング系用語
 □:(11)組織・人事系用語
 □:(12)テクノロジー・IT系用語

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もし感じられていれば、それこそが読者の皆さまのレベルアップの
証です。

◆◆◆ 要望・体験談・コメント募集! ◆◆◆

目次以外にも取り上げて欲しいテーマ・キーワードがあれば、
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今回のテーマに関連しそうな皆様の経験談をお寄せください。
また、ご意見・ご質問等も、下記までご遠慮なくお願いします。
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◆◆◆ 株式会社チェンジとは? ◆◆◆

私たちチェンジは、社名の通り企業のお客様を対象に「変革」のお
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目指す姿を明確化する企画段階からその企画の実行まで、幅広いご
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詳しくはお手数ですが、弊社WebSiteをご訪問下さい。
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『ビジネス・チュートリアル』
<<『ビジチュ』第11号>>

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