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| <日本版SOX法ふたたび2> |
研修とコンサルティングの株式会社チェンジ Presents
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『ビジネス・チュートリアル』No.62
いまさら聞けないビジネス常識を、読者の皆様だけに、こそっと
教えます。
※チュートリアル(tutorial):家庭教師・個別指導の意
<<『特別補講編』第1集>>〜日本版SOX法ふたたび(2)〜
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読者の皆さま
ご愛読ありがとうございます。株式会社チェンジ金田です。
先週から、『特別補講編』として読者の皆様からリクエスト
いただいたテーマでお送りしています。
今週は、先週に引き続いて、”日本版SOX法ふたたび”です。
鉄鋼業界各社は軒並み上方修正の決算となっていますが、どうやら
北京オリンピックをはじめとして、爆発的な成長をしている中国の
需要拡大が中心的な要因だそうです。
でも、あわせて最近は、工事現場から資材が盗まれる、電線が
盗まれる、マンホールの蓋が盗まれる、金属製の扉が盗まれる、
車止め用の金属ポールが盗まれる、などが報道されており、
どうやらブラックマーケットでも金属需要が拡大しているようです。
大切な資産を守るために金属製の扉を設置しているのに、その
扉自体も盗難の対象となると、もはやどうしたらいいかわからなく
なってしまいますね。
資産価値の見方は人それぞれですが、果たしてマンホールの蓋に
どれだけの価値があるのでしょうか?1枚いくらなのでしょうか?
屑鉄に加工して、船で中国に運ぶコストもあるので、そうそう高い
値段で取引することも出来ないはずです。
リスクに見合う行動かどうか疑わしいですが、盗難は続いています。
さて、内部統制にはCOSOフレームワークが採用されていますが、
日本版SOX法では、独自のものとして内部統制の目的に「資産の保全」
を追加しています。
「資産の保全」が追加された理由は、”日本独自の”制度である
監査役会の役割に「資産の保全」が謳われているからだそうです。
個人的には、この追加に関しては釈然としない気持ちでしたが、
最近の金属の盗難を見ていると、「やっぱり大切かな」なんて
思い直してもいます。
それでは、本題に入りましょう。(お待たせしました。)
今週は、日本版SOX法対応の進め方や運用に関するポイントを
中心に考えていきましょう。
◆◆◆先週の振り返り◆◆◆
先週は、2月15日に金融庁企業会計審議会から公表された実施基準の
ポイントについて解説しました。
本質的で重要な部分への注力と、カバーすべき割合と勘定科目の
例示により、米国SOX法と比較して、大幅に文書化・評価の対象範囲
を縮減することができるようになりました。
これで、やっと現実的で意味のある水準になったと、個人的には
とても評価しています。
では、縮減された対象範囲について、実際にどのように対応すれば
良いのでしょうか。
◆◆◆”3点セット”って何だ?◆◆◆
日本版SOX法対応において、もっとも負荷が高いと言われている
作業が、「文書化」です。
具体的には、”3点セット”と呼ばれる業務記述書、業務の流れ図、
リスクと統制の関連という3種類の文書を作成することです。
ただ、当然ですが、文書を作ること自体は目的ではありません。
この文書化によって、経営者が株式市場および監査人に対して、
業務の流れの中で、想定されるリスクが具体的にどのように、また
どの程度低減されているか、を証明することが目的です。
つまり、この目的さえ達成できれば、無理に”3点セット”を
作成する必要はないのです。
例えば、規程や業務マニュアル、あるいはシステムの設計書などが
網羅的に整備されていれば、さらに文書化する必要はないとも
言えます。
実際に、企業会計審議会内部統制部会長の八田教授は、
「3点セットが必要だとは一言も書いていない」と公言しています。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070209/261666/?ST=tousei
しかし、現実的には、
1.規程や業務マニュアルはあるが、”財務報告に係るリスク”
という視点では記述していない。
2.規程や業務マニュアルはあるが、更新されておらず、実態を
反映していない。
3.そもそも規程や業務マニュアルがない。
という事情が、どの会社にも当然にあります。
また、規程や業務マニュアルだけでは、監査法人が業務の流れや
リスクと統制の関連を十分に理解できず、結果的に目的を達成
できないという問題もあります。
つまり、結局は、内部統制において共通言語である”3点セット”で
記述することが合理的なわけです。
しかるべき相手が理解できないような文書では意味はなく、理解
できなければ、「見える化」にもつながりませんね。
◆◆◆文書化は”3点セット”だけ?◆◆◆
「文書化」=”3点セット”と理解されがちですが、他にも作成する
文書はいろいろとあります。
”3点セット”は、事業目的に重要な業務処理統制に係る文書ですが、
これ以外に全社的な内部統制、決算・財務報告に係る業務処理統制、
IT全般統制についても文書化が必要です。
これらについては、一般に”チェックリスト”と呼ばれる質問事項に
回答する形式で文書化を行います。
”チェックリスト”には、一般的な統制例が記載され、その統制行為を
「実践していますか?」という質問に回答することで、リスクを
どのように、またどの程度低減しているかを証明します。
例えば全社的な内部統制のチェックリストでは、「取締役会は
社外取締役なども参加して、社長が暴走しないように、ちゃんと
見張っていますか?」というような質問項目が並んでいます。
また、チェックリスト以外にも、前述した規程類や業務マニュアルも
評価範囲については整備しておく必要があります。
例えば、会社が承認した規程がないと、”3点セット”に記述された
業務自体が、「そもそも、それで良いのかどうか」を判断できなく
なってしまいます。
そうならないように、業務遂行にあたって準拠すべきルールを、
規程・マニュアルとして定めておきましょう、というわけです。
◆◆◆監査法人対応?◆◆◆
日本版SOX法対応における、最大のカギが監査法人対応です。
そもそも、2009年3月期決算について監査法人から無限定適正意見を
もらうことが、大きな目標になるわけですから、当たり前のことだ
ともいえます。
監査法人対応の最大のポイントは、彼らの立場を慮ることです。
”慮れ”と言われても、監査法人なんて馴染みがない方が殆どです。
そこで、監査法人が取る、または取らない行動を把握しておく
ことが大切になります。
まず、監査法人は、監査業務とコンサルティング業務を同時に
提供することは法律で禁止されているため、「○○を対象に、
○○な方法で評価してください」という具体的な提案はできません。
また、会社が「あれもこれもやって内部統制の精度を高めたい」と
言ったことに対して、「そこまでやる必要はない」とわざわざ
諌めるような言動もしません。
そして、監査法人も自らの監査意見に対してリスクをとるため、
保守的になりがちであり、かつ担当の会計士も所属する監査法人に
対して「無限定に適正である」根拠を説明しなければなりません。
ついでに、日本版SOX法だけでなく昨今の法令・会計基準変更により、
監査法人はどこも極めて忙しい状態にあり、激務が続いています。
そこで監査法人対応としては、「どこまでやればいいのか?」と
質問するのではなく、「これだけやれば財務報告のリスクと統制を
説明できる。なぜなら・・・」と提案することがポイントになります。
さらに、自分で考えているより、「これでは少し足りないかなぁ」
程度の水準で提案すると、より効果的です。
監査法人は、余計な部分については指摘しませんが、足りない
部分については指摘してくれるものなのです。
しかし、この対応には相当なノウハウが要求されるので、自社に
十分なリソースがいない場合は、コンサルティング会社等に依頼
することも効果的です。
また、監査法人にとっても、話がわかる第三者が入ることで、
”落としどころ”伝えやすくなるという側面もあります。
◆◆◆2009年4月からの運用◆◆◆
日本版SOX法対応は、第1回の経営者による内部統制報告を乗り切れば
良いのではなく、毎年運用評価を繰り返します。
実は、文書化よりも、この毎年の運用のほうが、ずっと大変なのです。
日本版SOX法の運用は、どの会社も未体験なのですが、ポイントが
体制作りにあることは確実です。
グループ内の業務運用やシステムが変更されたことが、必ず経営者
または経営者から内部統制管理を委譲された組織(監査部等)に
伝わり、文書が確実に改定され続けるような体制および
コミュニケーションルートを整備することが求められます。
例えば、拠点・プロセスごとに、部門長レベルのプロセスオーナー
を定め、管轄する業務の変更・品質・改善に責任を持たせる方法が
あります。
BPRや業務改善の視点で、以前からプロセスオーナーの重要性が
説かれていましたが、これを機に現実のものとなるかも知れません。
http://www.president.co.jp/pre/20050704/004.html
上記の全社的な体制に加えて、監査組織の体制作りも重要となります。
運用評価は、内部監査に極めて近いため、既存の監査組織が担当する
ケースが多いと想定されます。
しかし、監査組織の業務量が大きく増え、またITに関しても監査対象
となるため新しいスキルも必要になります。
したがって、監査要員の増加と育成が確実に求められます。
特に、これまで内部監査を十分に実施していない会社にとっては、
早めに準備をしておかないと非常に頭の痛い話になるはずです。
ただし、運用評価についても、外部専門家の活用が認められて
いますので、監査要員の増加と育成が難しい場合は、一部について
外部専門家に委託することも一つの策です。
(おそらく来年から多くの会社でサービスを開始するはずです)
◆◆◆終わりに◆◆◆
実施基準が公表され、約3,700社の上場企業で日本版SOX法対応が
本格的にスタートしました。
米国SOX法の失敗を踏まえ、だいぶ現実的な内容にはなっていますが
それでも2009年3月に向けて膨大な作業と多くの課題を乗り越える
必要があります。
大変ですが、苦しむだけでなく、文書化や運用評価を通じて、
何とか効果を生み出したいものです。
幸いにして、実施基準によれば、問題が認識されても、財務報告に
重要な影響を与えない場合は、「欠陥」ではなく「不備」として
捉え、「不備」については特に報告の必要がない、とされています。
折角の機会なので、効果を生み出すためにも、たくさんの「不備」を
洗い出して、いかにして業務品質を上げるかについて社内で
ディスカッションを行い、それぞれが工夫を持ち寄る機会が
生まれればと期待しています。
読者の皆様自身、または身の回りでも、日本版SOX法対応が進んで
いるかと思います。
日本市場に上場している以上、法律の適用は免れませんし、愚痴を
言っても、政府も国会もまず言い分なんて聞いてくれません。
だったら、いっそ前向きにやりませんか。
この『ビジ・チュ』を読んで、何人かの方にでも、そんな風に
思っていただけたら幸いです。
二週にわたる『日本版SOX法ふたたび』でしたが、お付き合い
ありがとうございました。ご感想をお待ちしております。
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数名の方からお問い合わせいただき、ありがとうございます。
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◆◆◆進捗状況◆◆◆
■:完了 ★:実行中 □:未了(お楽しみに)
<目次(予定)>
■:(1)ビジネスモデル
■:(2)会計のキホン
■:(3)コーポレートガバナンス
■:(4)プロジェクトマネジメント
■:(5)提案営業・ソリューション営業
■:(6)競争力とポジショニング
■:(7)フレームワーク
■:(8)ユビキタス
(個別用語解説編)
■:(9)マネジメント系用語
■:(10)マーケティング系用語
■:(11)組織・人事系用語
■:(12)テクノロジー・IT系用語
(特別補講編)
★:リクエストテーマ
来週は、特別補講編の第2集として「BPOとSaaS」をテーマに
お送りします。
”いまさら聞けない常識”とはいえない知識ですが、今ホットな
IT動向です。
来週もお楽しみに。
◆◆◆ 要望・体験談・コメント募集! ◆◆◆
目次以外にも取り上げて欲しいテーマ・キーワードがあれば、
ご要望をお寄せ下さい。
今回のテーマに関連しそうな皆様の経験談をお寄せください。
また、ご意見・ご質問等も、下記までご遠慮なくお願いします。
info@change-jp.com
◆◆◆ 株式会社チェンジとは? ◆◆◆
私たちチェンジは、社名の通り企業のお客様を対象に「変革」の
お手伝いをしています。具体的には、コンサルティングと
企業研修の2つの事業を通じて、自らを変える必要を感じている
お客様に対し、目指す姿を明確化する企画段階からその企画の
実行まで、幅広いご支援をご提供しています。
詳しくはお手数ですが、弊社WebSiteをご訪問下さい。
URL: http://www.change-jp.com Mail: info@change-jp.com
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『ビジネス・チュートリアル』
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